麗美 Best Album
GOLDEN⭐︎BEST 〜 REIMY BRAND COMPLETE 〜(レイミー・ブランド・コンプリート)
日本コロムビア
2019年1月23日発売(UHQCD : COCP-40695)
★オリジナル:2005年5月18日発売(CD : COCP-33184)

Produced by Masataka Matsutoya
この記事は過去に書いた記事のアートワークを新たにスキャンしたものに変更、文章の加筆・修正を行いアップデートしたものです。

1. 愛にDESPERATE
(作詞:作曲:松任谷由実 編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC. & KIRARA MUSIC PUBLISHER
1984年1月1日発売のデビュー曲。1stアルバム『REIMY』にも収録。
薬師丸さん風味のコテコテの歌謡曲ですがボーカルのせいか新鮮さを感じさせる。『私エッチね』と聞こえる歌詞がツボ。
1989年に西村知美さんがシングルとしてカバーし発表している。(編曲は新川博さん)
2. 何もいらないから
(作詞:作曲:松任谷由実 編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC. & KIRARA MUSIC PUBLISHER
『愛にDESPERATE』のカップリング。1stアルバム『REIMY』収録。
由実さんらしいメロディーと歌詞が実にしっくりくるナンバーですがセルフカバーはされておりません。由実さんのアルバムなら『REINCARNATION』に忍ばせてもよかったかも。『川景色』や『心のまま』なんかと相性が良さそう。
3. ノーサイド
(作詞:作曲:松任谷由実 編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC. & KIRARA MUSIC PUBLISHER
1stアルバム『REIMY』収録。
同年に由実さんのアルバム『NO SIDE』に収録されて今やユーミン自身の曲として、多くの人が知る楽曲、名曲ですね。
どちらも松任谷正隆さんアレンジなので、構成上の大きな違いはありません。
僕はどちらも好きですがイントロの音色はユーミン版のほうがいいかな。機器の進化というのもあるかも。ユーミン版では部分的に歌詞が変わっている。
4. 霧雨で見えない
(作詞:作曲:松任谷由実 編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 KIRARA MUSIC PUBLISHER
1stアルバム『REIMY』収録。
ボーカルのせいもありますが、こちらは少女の視点のように聞こえる。
1987年の『ダイアモンドダストが消えぬまに』収録のユーミン版は大人の女性の視点に聞こえるんだよね。
5. こごえる心
(作詞:田口俊・作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC. & KIRARA MUSIC PUBLISHER
1stアルバム『REIMY』収録。
ユーミンの曲でいえば『真珠のピアス』に近いサウンド、アレンジ。
いわゆるソウル寄りのR&Bというか。AORというか。シティポップの代表として世界に拡がった竹内まりやの『プラスティック・ラヴ』にも近い。
ユーミンが歌詞を書いていたなら『PEARL PIERCE』に収録されていてもおかしくなかっただろうなと。
6. どんなふうに
(作詞:田口俊・作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC. & KIRARA MUSIC PUBLISHER
1stアルバム『REIMY』収録。
歌謡曲の香りがするメロディーをアレンジが香り消しになってる。
7. 時のめぐりあい
(作詞:田口俊・作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC. & KIRARA MUSIC PUBLISHER
1stアルバム『REIMY』収録。
実にユーミンっぽい曲。
宇宙を連想させるアレンジも冒険心あふれておりさすが正隆さんって感じです。
聴いていて、なぜか『未来は霧の中』がリンクされて思い出してしまったよ。
8. 青春のリグレット
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC. & KIRARA MUSIC PUBLISHER
1984年5月21日発売の2ndシングル。2ndアルバム『R』収録。
麗美さんのオリジナル・ヴァージョンはしっとり控えめな仕上がりで最後に「I'm sorry.」とささやいて終わります。
由実さんが1985年アルバム『DA・DI・DA』でカバーしたものはアレンジの違いもあって、よりドラマティックな仕上がりになっている。
9. 残暑
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC.
1984年9月21日発売の3rdシングル。2ndアルバム『R』収録。
他の曲にもいえますが同じ楽曲で同じ女性目線の歌詞なのに麗美さんが歌うものとユーミンが歌うのではやはり印象が異なります。
どちらも良さがあるんだよね。
アレンジは時代のせい、機器の進化もあり、ユーミンのほうが情緒的かな。1990年の作品『天国のドア』でカバー。
10. 恋の一時間は孤独の千年
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC.
シングル『残暑』のカップリング。2ndアルバム『R』収録。
松任谷正隆さんはこの手のアレンジがお好きらしい。いわゆる南国系っていうんですか?
1992年の作品『TEARS AND REASONS』でカバー。
11. ポニーテイル
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC.
2ndアルバム『R』収録。
ユーミンが歌ったらかなり無理がある歌詞です。まさに麗美さんが歌うために書かれた歌詞。
メロディーは当時のユーミンのアルバムにありがちな佳作。
12. 星のクライマー
(作詞:松任谷由実・作曲:REIMY・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC.
2ndアルバム『R』収録。
このコンピレーション収録曲の中では唯一の麗美さん作曲による作品。歌詞は由実さん。
1984年アラスカのマッキンリー山(6168m/デナン山)冬季単独登頂後の下山中に永遠の星になった日本の有名登山家、植村直己氏に捧げられたものと言われる。
ダイナミックな登山家の最期を『ザイルを空にかけたの』と描写するユーミン、ザイルを空に掛けたらおっこちてしまいますよね。
それが意味するものを考えれば悲しいはずの出来事もドラマチックにさえ感じてしまいます。
『精神的なリゾート』を掲げた2002年のスタジオアルバム『Wings of Winter, Shades of Summer』収録候補としてレコーディングを開始したが、収録からは漏れた。
同アルバム発売の数ヶ月後に開催された2003年の苗場公演『SURF&SNOW in Naeba Vol.23』では由実さんたっての希望でこの曲が披露されていたという。
そして2003年に発表したセルフカバーアルバム『Yuming Compositions: FACES』でようやく製品化となった。
ユーミンが他者の、しかも女性の作曲ものを歌うことは極めて稀なので麗美さんには非常に栄誉なことかと。
13. だって
(作詞:田口俊・作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC.
2ndアルバム『R』収録。フランスシネマに出てきそうなかわいい曲。
この曲を聴き、思わずにやけてしまいました。同時期のユーミンのアルバムにありそうなタイプの曲だったからです。
『忘れないでね』のようなかわいいタイプの曲もユーミンは作っているんですもんね。
14. Time Travelers
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1985 NICHION,INC.
1985年5月21日発売の4thシングルで3rdアルバム『PANSY』収録曲。
これは、当時としては最先端のアレンジだったのかな?!近未来的というか。発売された時期は『DA DI DA』あたりかしら。
『メトロポリスの片隅で』が入ってるアルバムね。
ユーミンが歌っても不思議ではないし、歌ってるところを容易に想像しやすい楽曲。
コンセプトが『純愛三部作』じゃなければ、『Love Wars』あたりで絶対カバーしてただろうと思う。して欲しかった。
ちなみに由実さん自身が麗美さんの取材に寄せたコメントでカバーしたい曲として挙げていたことがあるという。
15. パンジーとトパーズのネックレス
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1985 NICHION,INC.
3rdアルバム『PANSY』収録曲。
タイトル通りかわいい曲です。キャッチーなメロディーが耳に残る。
これは、麗美さんのために書いたもので(笑)絶対カバーできないでしょう。(でも怖いもの見たさで今の声で歌って欲しい)
正隆さんのアレンジの中でも特に好き、終わり方が上品。レディーというか。
16. 花びらの舞う坂道
(作詞:田口俊・作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1985 NICHION,INC.
3rdアルバム『PANSY』収録曲。
聖子ちゃんにあげるつもりだったんじゃないか、と妄想します。
とっても呉田軽穂臭がするメロディなのです。
17. ひとちがい
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1985 NICHION,INC.
3rdアルバム『PANSY』収録曲。
これはですね、ユーミンでいうと『星空の誘惑』『埠頭を渡る風』のようなライブに冴えそうなナンバーです。
ライナーノーツには80年代後半ころに由実さん自身がカバー(レコーディング)しているとの記述。(その音源は未発表のまま)
1989年に発表された西村知美さんのシングル『愛にDESPERATE』のB面、カップリングとしてカバーされた。(編曲は新川博)
【追記】
2025年に発表された松任谷由実40枚目のアルバム『Wormhole / YUMI ARAI』にて発売から40年を経て遂にカバーされました。
これはお蔵入りになっている未発表音源ではなく今回新たにレコーディングされたものです。
2026年の『YUMING SURF&SNOW in Naeba Vol.46 2026』で演奏された。

1984年1月、松任谷正隆さん・由実さんのバックアップ(正確に言えばプロデュース自体は松任谷正隆さん単独)でデビュー。
今作は1984年~1985年頃に松任谷正隆さんがプロデュースした麗美さんの3枚のスタジオアルバム『R』『REIMY』『PANSY』から選曲したベストアルバム『REIMY BRAND』(1986年発売)に由実さんが関わった数曲を追加したコンプリート盤で、2005年にリ・マスタリングされています。2019年盤で再度リ・マスタリングされているのかは不明ですが多分されてないと思います。同じものだと思われます。
大手レコード会社が共通して使用する呼称『ゴールデン☆ベスト』シリーズで出ました。
デビューアルバム『R』の雑誌広告にはニュー・ミュージックのフィールドから生まれた全く新しいタイプのアイドル!とあります。
つまりプロデューサー松任谷正隆氏、ライター松任谷由実氏の中での麗美さんはやっぱりアイドルという認識だったのですね。
1984年1月にデビューした麗美さん。同年5月には由実さんが松田聖子さんに『時間の国のアリス』を提供して聖子さんへの提供をやめています。
The芸能界のシステムとは違うアイドルを送り出そうということだったのかもしれません。
調べて分かったことですが、当時の麗美さんは松任谷夫妻の事務所である雲母社に所属していたようです。
アイドル歌手が歌うからといってどんなものでもいいわけではない。
楽曲は由実さん自身が歌うものと同水準のものを惜しみなく提供してゆくという姿勢だったのではないでしょうか。
それを裏付けるように麗美さんに提供した『ノーサイド』『青春のリグレット』『残暑』etcは自身がカバーし、今なおライブで歌われスタンダードナンバーとして知られている。
シングル数枚とかいうレベルならまだしもスタジオアルバム3枚も担当されていることから、松任谷夫妻がこんなにも力を入れていた麗美さんで何を表現したかったのか興味をそそられるところです。
そういうのを正隆さんは余り語られないのでなかなか知るのは難しいのですが、もしかしたらそれは『ニュー・ミュージックのフィールド〜』という宣伝文句に繋がっているのかもしれない。
正隆さんが著書で少しだけ彼女について触れているのだが、音楽性に目覚めて離れて行ってしまった。と書かれていた。(笑)
1983年にユーミンは伊集院静さんの提案で(?)『REINCARNATION』『VOYAGER』、2枚のスタジオアルバムを発表し、才能の泉から溢れて止まらない楽曲を次々と送り出していました。(なんと1978年~1981年も同年に2枚のスタジオアルバムを発表しているから4年で8枚も出している)
そんな時期ですから、必然的に麗美さんの楽曲もハイクオリティーになっていったのでしょうね。
ユーミン自身がカバーしていないもので、知名度が低い楽曲も名曲だったりします。
影に隠れてしまいがちな麗美さんの作品群ですが、ユーミン夫妻の歴史をたどる上ではかなりの重要ワークスかも知れない。
ニュー・ミュージックのフィールドから生まれた全く新しいアイドル…すなわちそれは80年代のアイドルからバトンを受け継いだ90年代のガールポップ勢に向けた種蒔きを夫妻はしていたのである。
夫妻の元から巣立ったあとも地道に音楽を続け(彼女は作曲もするので)、現在は映画音楽やドラマの音楽を中心に活動されています。
近年では、芦田愛菜さんが出演したことで話題になったドラマ『Mother』の劇中音楽、映画『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の音楽をREMEDIOSとして担当しています。
遥か昔ですが、知り会った聖子ちゃんファンの可愛い子に麗美をおすすめしたら気に入ってくれたっけ。
その子が聖子ちゃんファンだからこそうれしかったのよ。今でも聖子ちゃんファンには聴いてほしいもの。
個人的評価 ★★★★★★★★★☆ 9
REIMY discography
produced by MASATAKA MATSUTOYA years
-single-
1. 愛にDESPERATE / 何もいらないから
2. 青春のリグレット / 君の友達でいたいから
3. 残暑 / 恋の一時間は孤独の千年
4. Time Travelers / 思い出よりたしかに…
-album-
1. REIMY
2. R
3. PANSY
4. REIMY BRAND(compilations)
この記事は過去に書いた記事のアートワークを新たにスキャンしたものに変更、文章の加筆・修正を行いアップデートしたものです。
GOLDEN⭐︎BEST 〜 REIMY BRAND COMPLETE 〜(レイミー・ブランド・コンプリート)
日本コロムビア
2019年1月23日発売(UHQCD : COCP-40695)
★オリジナル:2005年5月18日発売(CD : COCP-33184)

Produced by Masataka Matsutoya
この記事は過去に書いた記事のアートワークを新たにスキャンしたものに変更、文章の加筆・修正を行いアップデートしたものです。

1. 愛にDESPERATE
(作詞:作曲:松任谷由実 編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC. & KIRARA MUSIC PUBLISHER
1984年1月1日発売のデビュー曲。1stアルバム『REIMY』にも収録。
薬師丸さん風味のコテコテの歌謡曲ですがボーカルのせいか新鮮さを感じさせる。『私エッチね』と聞こえる歌詞がツボ。
1989年に西村知美さんがシングルとしてカバーし発表している。(編曲は新川博さん)
2. 何もいらないから
(作詞:作曲:松任谷由実 編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC. & KIRARA MUSIC PUBLISHER
『愛にDESPERATE』のカップリング。1stアルバム『REIMY』収録。
由実さんらしいメロディーと歌詞が実にしっくりくるナンバーですがセルフカバーはされておりません。由実さんのアルバムなら『REINCARNATION』に忍ばせてもよかったかも。『川景色』や『心のまま』なんかと相性が良さそう。
3. ノーサイド
(作詞:作曲:松任谷由実 編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC. & KIRARA MUSIC PUBLISHER
1stアルバム『REIMY』収録。
同年に由実さんのアルバム『NO SIDE』に収録されて今やユーミン自身の曲として、多くの人が知る楽曲、名曲ですね。
どちらも松任谷正隆さんアレンジなので、構成上の大きな違いはありません。
僕はどちらも好きですがイントロの音色はユーミン版のほうがいいかな。機器の進化というのもあるかも。ユーミン版では部分的に歌詞が変わっている。
4. 霧雨で見えない
(作詞:作曲:松任谷由実 編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 KIRARA MUSIC PUBLISHER
1stアルバム『REIMY』収録。
ボーカルのせいもありますが、こちらは少女の視点のように聞こえる。
1987年の『ダイアモンドダストが消えぬまに』収録のユーミン版は大人の女性の視点に聞こえるんだよね。
5. こごえる心
(作詞:田口俊・作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC. & KIRARA MUSIC PUBLISHER
1stアルバム『REIMY』収録。
ユーミンの曲でいえば『真珠のピアス』に近いサウンド、アレンジ。
いわゆるソウル寄りのR&Bというか。AORというか。シティポップの代表として世界に拡がった竹内まりやの『プラスティック・ラヴ』にも近い。
ユーミンが歌詞を書いていたなら『PEARL PIERCE』に収録されていてもおかしくなかっただろうなと。
6. どんなふうに
(作詞:田口俊・作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC. & KIRARA MUSIC PUBLISHER
1stアルバム『REIMY』収録。
歌謡曲の香りがするメロディーをアレンジが香り消しになってる。
7. 時のめぐりあい
(作詞:田口俊・作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC. & KIRARA MUSIC PUBLISHER
1stアルバム『REIMY』収録。
実にユーミンっぽい曲。
宇宙を連想させるアレンジも冒険心あふれておりさすが正隆さんって感じです。
聴いていて、なぜか『未来は霧の中』がリンクされて思い出してしまったよ。
8. 青春のリグレット
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC. & KIRARA MUSIC PUBLISHER
1984年5月21日発売の2ndシングル。2ndアルバム『R』収録。
麗美さんのオリジナル・ヴァージョンはしっとり控えめな仕上がりで最後に「I'm sorry.」とささやいて終わります。
由実さんが1985年アルバム『DA・DI・DA』でカバーしたものはアレンジの違いもあって、よりドラマティックな仕上がりになっている。
9. 残暑
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC.
1984年9月21日発売の3rdシングル。2ndアルバム『R』収録。
他の曲にもいえますが同じ楽曲で同じ女性目線の歌詞なのに麗美さんが歌うものとユーミンが歌うのではやはり印象が異なります。
どちらも良さがあるんだよね。
アレンジは時代のせい、機器の進化もあり、ユーミンのほうが情緒的かな。1990年の作品『天国のドア』でカバー。
10. 恋の一時間は孤独の千年
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC.
シングル『残暑』のカップリング。2ndアルバム『R』収録。
松任谷正隆さんはこの手のアレンジがお好きらしい。いわゆる南国系っていうんですか?
1992年の作品『TEARS AND REASONS』でカバー。
11. ポニーテイル
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC.
2ndアルバム『R』収録。
ユーミンが歌ったらかなり無理がある歌詞です。まさに麗美さんが歌うために書かれた歌詞。
メロディーは当時のユーミンのアルバムにありがちな佳作。
12. 星のクライマー
(作詞:松任谷由実・作曲:REIMY・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC.
2ndアルバム『R』収録。
このコンピレーション収録曲の中では唯一の麗美さん作曲による作品。歌詞は由実さん。
1984年アラスカのマッキンリー山(6168m/デナン山)冬季単独登頂後の下山中に永遠の星になった日本の有名登山家、植村直己氏に捧げられたものと言われる。
ダイナミックな登山家の最期を『ザイルを空にかけたの』と描写するユーミン、ザイルを空に掛けたらおっこちてしまいますよね。
それが意味するものを考えれば悲しいはずの出来事もドラマチックにさえ感じてしまいます。
『精神的なリゾート』を掲げた2002年のスタジオアルバム『Wings of Winter, Shades of Summer』収録候補としてレコーディングを開始したが、収録からは漏れた。
同アルバム発売の数ヶ月後に開催された2003年の苗場公演『SURF&SNOW in Naeba Vol.23』では由実さんたっての希望でこの曲が披露されていたという。
そして2003年に発表したセルフカバーアルバム『Yuming Compositions: FACES』でようやく製品化となった。
ユーミンが他者の、しかも女性の作曲ものを歌うことは極めて稀なので麗美さんには非常に栄誉なことかと。
13. だって
(作詞:田口俊・作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1984 NICHION,INC.
2ndアルバム『R』収録。フランスシネマに出てきそうなかわいい曲。
この曲を聴き、思わずにやけてしまいました。同時期のユーミンのアルバムにありそうなタイプの曲だったからです。
『忘れないでね』のようなかわいいタイプの曲もユーミンは作っているんですもんね。
14. Time Travelers
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1985 NICHION,INC.
1985年5月21日発売の4thシングルで3rdアルバム『PANSY』収録曲。
これは、当時としては最先端のアレンジだったのかな?!近未来的というか。発売された時期は『DA DI DA』あたりかしら。
『メトロポリスの片隅で』が入ってるアルバムね。
ユーミンが歌っても不思議ではないし、歌ってるところを容易に想像しやすい楽曲。
コンセプトが『純愛三部作』じゃなければ、『Love Wars』あたりで絶対カバーしてただろうと思う。して欲しかった。
ちなみに由実さん自身が麗美さんの取材に寄せたコメントでカバーしたい曲として挙げていたことがあるという。
15. パンジーとトパーズのネックレス
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1985 NICHION,INC.
3rdアルバム『PANSY』収録曲。
タイトル通りかわいい曲です。キャッチーなメロディーが耳に残る。
これは、麗美さんのために書いたもので(笑)絶対カバーできないでしょう。(でも怖いもの見たさで今の声で歌って欲しい)
正隆さんのアレンジの中でも特に好き、終わり方が上品。レディーというか。
16. 花びらの舞う坂道
(作詞:田口俊・作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1985 NICHION,INC.
3rdアルバム『PANSY』収録曲。
聖子ちゃんにあげるつもりだったんじゃないか、と妄想します。
とっても呉田軽穂臭がするメロディなのです。
17. ひとちがい
(作詞:作曲:松任谷由実・編曲:松任谷正隆)
(C) 1985 NICHION,INC.
3rdアルバム『PANSY』収録曲。
これはですね、ユーミンでいうと『星空の誘惑』『埠頭を渡る風』のようなライブに冴えそうなナンバーです。
ライナーノーツには80年代後半ころに由実さん自身がカバー(レコーディング)しているとの記述。(その音源は未発表のまま)
1989年に発表された西村知美さんのシングル『愛にDESPERATE』のB面、カップリングとしてカバーされた。(編曲は新川博)
【追記】
2025年に発表された松任谷由実40枚目のアルバム『Wormhole / YUMI ARAI』にて発売から40年を経て遂にカバーされました。
これはお蔵入りになっている未発表音源ではなく今回新たにレコーディングされたものです。
2026年の『YUMING SURF&SNOW in Naeba Vol.46 2026』で演奏された。

1984年1月、松任谷正隆さん・由実さんのバックアップ(正確に言えばプロデュース自体は松任谷正隆さん単独)でデビュー。
今作は1984年~1985年頃に松任谷正隆さんがプロデュースした麗美さんの3枚のスタジオアルバム『R』『REIMY』『PANSY』から選曲したベストアルバム『REIMY BRAND』(1986年発売)に由実さんが関わった数曲を追加したコンプリート盤で、2005年にリ・マスタリングされています。2019年盤で再度リ・マスタリングされているのかは不明ですが多分されてないと思います。同じものだと思われます。
大手レコード会社が共通して使用する呼称『ゴールデン☆ベスト』シリーズで出ました。
デビューアルバム『R』の雑誌広告にはニュー・ミュージックのフィールドから生まれた全く新しいタイプのアイドル!とあります。
つまりプロデューサー松任谷正隆氏、ライター松任谷由実氏の中での麗美さんはやっぱりアイドルという認識だったのですね。
1984年1月にデビューした麗美さん。同年5月には由実さんが松田聖子さんに『時間の国のアリス』を提供して聖子さんへの提供をやめています。
The芸能界のシステムとは違うアイドルを送り出そうということだったのかもしれません。
調べて分かったことですが、当時の麗美さんは松任谷夫妻の事務所である雲母社に所属していたようです。
アイドル歌手が歌うからといってどんなものでもいいわけではない。
楽曲は由実さん自身が歌うものと同水準のものを惜しみなく提供してゆくという姿勢だったのではないでしょうか。
それを裏付けるように麗美さんに提供した『ノーサイド』『青春のリグレット』『残暑』etcは自身がカバーし、今なおライブで歌われスタンダードナンバーとして知られている。
シングル数枚とかいうレベルならまだしもスタジオアルバム3枚も担当されていることから、松任谷夫妻がこんなにも力を入れていた麗美さんで何を表現したかったのか興味をそそられるところです。
そういうのを正隆さんは余り語られないのでなかなか知るのは難しいのですが、もしかしたらそれは『ニュー・ミュージックのフィールド〜』という宣伝文句に繋がっているのかもしれない。
正隆さんが著書で少しだけ彼女について触れているのだが、音楽性に目覚めて離れて行ってしまった。と書かれていた。(笑)
1983年にユーミンは伊集院静さんの提案で(?)『REINCARNATION』『VOYAGER』、2枚のスタジオアルバムを発表し、才能の泉から溢れて止まらない楽曲を次々と送り出していました。(なんと1978年~1981年も同年に2枚のスタジオアルバムを発表しているから4年で8枚も出している)
そんな時期ですから、必然的に麗美さんの楽曲もハイクオリティーになっていったのでしょうね。
ユーミン自身がカバーしていないもので、知名度が低い楽曲も名曲だったりします。
影に隠れてしまいがちな麗美さんの作品群ですが、ユーミン夫妻の歴史をたどる上ではかなりの重要ワークスかも知れない。
ニュー・ミュージックのフィールドから生まれた全く新しいアイドル…すなわちそれは80年代のアイドルからバトンを受け継いだ90年代のガールポップ勢に向けた種蒔きを夫妻はしていたのである。
夫妻の元から巣立ったあとも地道に音楽を続け(彼女は作曲もするので)、現在は映画音楽やドラマの音楽を中心に活動されています。
近年では、芦田愛菜さんが出演したことで話題になったドラマ『Mother』の劇中音楽、映画『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の音楽をREMEDIOSとして担当しています。
遥か昔ですが、知り会った聖子ちゃんファンの可愛い子に麗美をおすすめしたら気に入ってくれたっけ。
その子が聖子ちゃんファンだからこそうれしかったのよ。今でも聖子ちゃんファンには聴いてほしいもの。
個人的評価 ★★★★★★★★★☆ 9
REIMY discography
produced by MASATAKA MATSUTOYA years
-single-
1. 愛にDESPERATE / 何もいらないから
2. 青春のリグレット / 君の友達でいたいから
3. 残暑 / 恋の一時間は孤独の千年
4. Time Travelers / 思い出よりたしかに…
-album-
1. REIMY
2. R
3. PANSY
4. REIMY BRAND(compilations)
この記事は過去に書いた記事のアートワークを新たにスキャンしたものに変更、文章の加筆・修正を行いアップデートしたものです。
