栗林誠一郎 Compilation Album
complete of 栗林誠一郎 & Barbier at the BEING studio
B-Gram RECORDS
発売元:株式会社 ビーグラムレコーズ
(P) 1991,1992,1993,1994,1995,1996, 1998 Being,Inc.
2003年2月25日発売(CD : JBCJ-5008)

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Produced by DAIKOH NAGATO
All Composed by Seiichiroh Kuribayashi (Except #16)
Composed by Lennon-MacCartney (#16)

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1. Remember Me
(作詞:前田亘輝、英訳:AMY・作曲:編曲:栗林誠一郎)
(C) 1988 Be Kikakushitsu

1998年、TUBEの8thシングル表題曲として楽曲提供したものを英語の歌詞でセルフカバー。ZARDなどのコーラスで披露した透明感あふれる多重コーラスをバックにア・カペラで聴かせる。1991年に発売された3rdアルバム『You Never Know』より。
栗林さんはTUBEの角野さんが交通事故を起こして助手席に同乗していた、当時交際中の最愛の女性を死亡させてしまい、活動を自粛している期間中のTUBEのサポートをやってました。
メンバーは脱退を申し入れたカッくんに『Keeping The Face』という曲を書いて復帰を待った。アルバム曲のこの曲が特殊な扱いなのはそのような事情があるから。


2. 君がいない
(作詞:作曲:栗林誠一郎・編曲:栗林誠一郎、明石昌夫)
(C) 1991 Be Kikakushitsu

この曲は元々、栗林誠一郎さんの3rdアルバム『You Never Know』収録楽曲として世の中に出ました。オリジナルは栗林さんということになります。
プロデューサー長戸大幸さんがとても気に入っていたこともあり、長戸さんがベストワンプロからプロデュース依頼された企画モノのユニットTune's Blues Bandのシングル表題曲として採用しましたが売れませんでした。
さらに1993年、ZARDの坂井泉水がサビ以外の歌詞を書き換えたうえでZARDの7thシングルとして発売すると、ようやく陽の目を見ます。『負けないで』のあとでしたから何出しても売れたとは思いますが、80万枚を超える大ヒット曲となるのです。


3. 永遠をあずけてくれ
(作詞:川島だりあ・作曲:編曲:栗林誠一郎)
(C) 1993 Be Kikakushitsu & Mr.Music

1993年11月27日発売のDEENの4thシングル(NTT DoCoMoポケットベルCMソング)として提供し、50万枚を超えるヒットとなったクリスマス楽曲をカバー。
栗林誠一郎の優しい声質が生かされたバラードに仕上がっている。青山さんのドラムが重く突き刺さる。6thアルバム『遠く離れても』より。

Drums : 青山純
Bass : 栗林誠一郎
Guitars : 田川伸治
Piano : 小野塚晃
Strings : 日色純一Strings Quartet
Back Up Vocals : 栗林誠一郎

4. 誰かが待ってる
(作詞:坂井泉水:作曲:編曲:栗林誠一郎)
(C) 1992 Be Kikakushitsu & TV ASAHI MUSIC Co.LTD.

1992年にZARDのアルバム『HOLD ME』収録曲として提供した楽曲のカバー。
ZARDヴァージョンとは大きく趣を変え、ボサノヴァでしっとり仕上げている。1994年に発表した6thアルバム『遠く離れても』より。

Drums : 江口信夫
Bass : 栗林誠一郎
Guitars : 増崎孝司
Piano : 小野塚晃
Synthesizer : 栗林誠一郎
Back Up Vocals : 栗林誠一郎

5. Canaria 〜カナリヤ〜
(作詞:坂井泉水、英訳:栗林誠一郎:作曲:編曲:栗林誠一郎)
(C) 1993 Be Kikakushitsu & TV ASAHI MUSIC Co.LTD.

ZARDのシングル『もう少し あと少し…』のカップリングに提供した『カナリヤ』を本人トランスレートの英語歌詞でカバー。
オリジナルはピアノ、アコギと坂井泉水のヴォーカルという無駄を削ぎ落とした構成で、そこに作曲者でもある栗林誠一郎のコーラスが曲の肝でした。こちらのカバーではピアノのみでコーラスなども入れていない。6thアルバム『遠く離れても』より。

Piano : 栗林誠一郎

6. 寂しさは秋の色
(作詞:上杉昇・作曲:編曲:栗林誠一郎)
(C) 1991 Be Kikakushitsu & Mediapulpo

1991年12月、WANDSのデビューシングルとして提供したものをセルフカバー。
WANDSを離れてソロとして活動する上杉昇さんがいまだに歌うことがある曲。きっと上杉さんの中では始まりのうた…大切な忘れられない曲なのだろうな。
1993年の5thアルバム『会わなくてもI Love You』より。


7. もう少し あと少し… Barbier
(作詞:坂井泉水、英訳:AMY・作曲:栗林誠一郎・編曲:徳永暁人)
(C) 1993 Be Kikakushitsu & TV ASAHI MUSIC CO.,LTD.

ZARDのシングル表題曲として提供し80万枚を超えるヒットになったものを英語歌詞でカバー。歌謡曲の匂いがするオリジナルとは異なりロックに仕上げたのは当時ビーイング期待の若手サウンドプロデューサー徳永暁人。
栗林誠一郎の覆面プロジェクトBarbierのアルバム『Barbier first』より。


8. 今すぐ会いに来て Barbier
(作詞:坂井泉水、英訳:AMY・作曲:編曲:徳永暁人)
(C) 1995 Be Kikakushitsu

ZARDのアルバム『forever you』に提供したものを英語歌詞でカバー。ZARDのオリジナル同様、ビートルズの『Your mother should know』のオマージュである。
個人的には栗林さんのメロディーのほうが洗練されていると思ってしまうけど。
栗林誠一郎の覆面プロジェクトBarbierのアルバム『Barbier first』より。


9. クリスマス タイム Barbier
(作詞:坂井泉水・作曲:栗林誠一郎・編曲:TAKA UMENO, ROBBIE KONDOR)
(C) 1995 Be Kikakushitsu

1995年11月22日発売、栗林誠一郎の覆面プロジェクトBarbierの1stシングル。
アルバム『Barbier first』収録。
ZARDのカバーが2001年発表のセレクション・アルバム『ZARD BLEND-LEAF & SNOW-』に収録された。(録音年は不明)

Guest Vocal : 坂井泉水

10. LOVE 〜眠れずに君の横顔ずっと見ていた〜 Barbier
(作詞:坂井泉水・作曲:栗林誠一郎・編曲:葉山たけし)
(C) 1996 Be Kikakushitsu

1996年6月9日発売、栗林誠一郎の覆面プロジェクトBarbierの2ndシングル。
アルバム『Barbier first』収録。
ZARDが1996年に『TODAY IS ANOTHER DAY』でカバー。

Guest Vocal : 坂井泉水

11. It's a Boy
(作詞:坂井泉水・作曲:栗林誠一郎・編曲:栗林誠一郎、明石昌夫)
(C) 1991 Be Kikakushitsu

ZARDの1stアルバム収録曲として提供したものをカバー。1993年の5thアルバム『会わなくてもI Love You』より。

12. バラードが泣いた夜
(作詞:小田佳奈子・作曲:編曲:栗林誠一郎)
(C) 1993 Be Kikakushitsu

Mi-keのシングル提供した『Please Please Me, LOVE』(作詞 上杉昇)を歌詞を変えてセルフカバー。テーマがビートルズ、リバプールサウンドということでビートルズ信者の栗林誠一郎さんに白羽の矢が立った。表題曲は織田哲郎さん提供が多かったため初めてとなる。
1998年の9thアルバム『Frosted Glass』収録。


13. Girls and Boys (English Version) (Girl 今でも)
(作詞:舛添要一・作曲:栗林誠一郎・編曲:栗林誠一郎、明石昌夫)
(C) 1989 Be Kikakushitsu

1989年に発売した処女作『LA JOLLA』に収録されていた『Girl今でも 』の英語歌詞ヴァージョンで1991年の4thアルバム『Good-bye to you』に収録されている。
1994年にZARDのシングル『この愛に泳ぎ疲れても』の両A面『Boy』(映画『夏の庭』主題歌)として歌詞を書き換えたうえで発売された楽曲でもある。


14. I still remember Barbier
(作詞:坂井泉水、英訳:AMY・作曲:栗林誠一郎・編曲:葉山たけし)
(C) 1994 Be Kikakushitsu

ZARDの5thアルバム『OH MY LOVE』に提供したものを英語歌詞でカバー。このアルバムは全10曲中7曲を栗林誠一郎さんが作曲しておりコーラスも入れていることから、全盛期のZARDサウンドの本質を支えていたのが彼のメロディだったことが火を見るより明らかである。
栗林誠一郎の覆面プロジェクトBarbierのアルバム『Barbier first』収録。

Guest Vocal : 坂井泉水

15. Good-bye to you
(作詞:高樹沙耶・作曲:栗林誠一郎・編曲:栗林誠一郎、明石昌夫)
(C) 1991 Be Kikakushitsu

1991年11月6日発売の2ndシングル。
作詞は女優の高樹沙耶。長戸大幸プロデューサーとの関係からこの時期のビーイング作品に数曲作詞提供している。本人はもちろん森友嵐士(T-BOLAN)、生沢祐一(TWINZER)、大黒摩季などコーラス陣が豪華となっている。
関西テレビ系ドラマ『ホテルウーマン』挿入歌。アルバム『ホテルウーマン』オリジナルサウンドトラックより。
4thアルバムのタイトル曲でもある。


16. DRIVE MY CAR
(Written by Lennon-McCartney・編曲:中村キタロー幸司)
(C) 1965 NORTHERN SONGS LTD / MACLEN MUSIC LTD

栗林誠一郎さんが敬愛するビートルズのカバー。
アルバム『ROYAL STRAIGHT SOULⅢ part 1 Blue Lovers』より。プレミアム・トラックということだけど、全然プレミアムではないというか…(笑)持ってます的な。


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栗林誠一郎というアーティストをご存知だろうか?
ZARDやWANDSなどビーイング系アーティストの一人で、ソロとしても作品をリリースしていたが、織田哲郎さんと並び様々なアーティストに楽曲提供、コーラス参加していたことで知られている。

プロデューサー長戸大幸氏は自身が出演するラジオ番組の中で栗林誠一郎さんについて『歌が上手い』と評価している。
また、B.B.Queensは栗林誠一郎さんをメイン・ヴォーカルに据える計画だったが、栗林さんが海外旅行中だったため坪倉唯子さんにレコーディングさせたとも。

このベストアルバムシリーズat the BEING studioはT-BOLAN、WANDS、Mi-ke、川島だりあ、織田哲郎、MANISH、大黒摩季など数々のビーイングのアーティストのタイトルが発売されている。
選曲は微妙だが、基本的にシングルを集めたもので未発表音源が収録されていることが売りだった。
栗林誠一郎さんの場合はシングルがそう多くないのでヒットした提供曲のセルフカバーが多く収録されているため、作曲家栗林誠一郎のベストとしての色合いが濃くなっていて未発表音源の収録はなかった。

1995年頃より自身の楽曲への思い入れが強くなり、Barbier名義で楽曲を発表していたことがある。バルビエでは、自身の声とメロディーに集中し、アレンジを第三者に委ねた。アルバムはチャート33位を獲得。
以降、他人に提供することはしたくないと思うようになったとサポートミュージシャンにこぼしたという。

他所に原盤がある初期のアルバムに収録されている曲は省かれており、なんとも中途半端な内容だといえる。
これは織田哲郎さんのほうもですが、もう少し工夫してベストとしての体を成していて欲しかったかなと思いますね。
織田さんはこれはcompleteではないと言ってしまっているし、封入されているライナーノーツにも誤りがあることをダイアリーに書いていたくらい。
織田さんの場合はソニー原盤の頃のベストは出たけど、ビーイング原盤の時期のちゃんとしたベスト盤が出てないのでファンが気の毒になる。(入手困難と言われるプラッツ期もビーイングに原盤があるようなので)

…おっと悪い癖で話が脱線してしまった。
そうだからこれは栗林誠一郎さんのコンプリートではないんですよ。スタジオ作品9枚作っている人のコンプリートがほとんど提供作品のセルフカバーっていうのはありえないじゃないですか。
なのでこれは作家栗林誠一郎を知るための一枚でしかありませんの。
ZARDファンに聴いてほしいかな。いかに尊いアーティストか分かると思います。

個人的評価:★★★★★★★★☆☆ 8