Kiroro(キロロ) Best Album
キロロのいちばんイイ歌あつめました
ビクターエンタテイメント株式会社
2006年3月29日発売(CD : VICL-61911)

▼カタログ
・初回限定盤:2006年3月29日発売(2CD:VIZL-177)
・10周年記念盤:2007年3月7日発売(2CD+BOOK:VICL-62265)
・GOOD PRICE:2008年3月21日発売(CD:VAL-161)
・ニュープライス盤:2011年11月23日発売(CD:VICL-63838)
・リマスターA(通常):2018年1月24日発売(CD:VICL-64951)
・リマスターB(初回限定):2018年1月24日発売(2CD:VIZL-1325)

kiro
最高8位・約11.5万枚

TL

1. Best Friend
(作詞:作曲:玉城千春・編曲:重実徹)
(C) 2001 Victor Music Arts, Inc.

2001年6月6日発売、最高5位、30万枚。NHK朝の連続ドラマ小説『ちゅらさん』オープニングテーマ曲。(主演 国仲涼子)
玉城さんが喉を壊して休養していた頃にオファーが来たそうで、ドラマの主人公に自分をなぞらえて励ましてくれる友人のことを思って書き下ろしたそうです。タイアップ効果もあり久々のヒットになりました。
同年、2年ぶり3回目となるNHK紅白歌合戦出場を果たす。


2. 未来へ
(作詞:作曲:玉城千春・編曲:重実徹)
(C) 1998 Victor Music Arts, Inc.

1998年6月24日発売の2ndシングル。最高4位、58.9万枚。インディーズ時代にシングルとして発売。同年年末の紅白歌合戦に初出場しこの曲を歌唱した。

3. 長い間
(作詞:作曲:玉城千春・編曲:重実徹)
(C) 1996 Victor Music Arts, Inc.

1998年1月21日発売の1stシングル。最高1位、120.6万枚。インディーズ時代にシングルとして発売。
有線放送のリクエストをきっかけにロングセールとなる。1999年の大晦日の紅白歌合戦にてこの曲を歌唱。


4. 冬のうた
(作詞:作曲:玉城千春・編曲:重実徹)
(C) 1998 Victor Music Arts, Inc.

1998年11月21日発売の3rdシングル。最高12位、23.8万枚。明治『Melty Kiss』CMソング。(出演 鈴木えみ)
ドリカムっぽさを感じる。歌詞に登場する『WINTER SONG』はドリカムの『WINTER SONG』という曲のことだったりして…


5. 好きな人
(作詞:作曲:玉城千春・編曲:重実徹)
(C) 1999 Victor Music Arts, Inc.

1999年11月10日発売の6thシングル。最高21位、4.7万枚。
『冬のうた』同様ドリカム吉田チックなバラードでフツーに良い曲だよね。
なんで売れなかったのかな?って感じ。


6. 生きてこそ
(作詞:玉城千春・作曲:Kiroro・編曲:Kiroro &重実徹)
(C) 2005 Victor Music Arts, Inc.

2005年7月6日発売の14thシングル。最高31位、1.6万枚。

7. もう少し
(作詞:作曲:玉城千春・編曲:重実徹)
(C) 2004 TV ASAHI MUSIC CO.,LTD. & Victor Music Arts, Inc.

2004年1月21日発売の13thシングル、最高20位、1.8万枚。テレビ朝日系 土曜ワイド劇場エンディングテーマ曲。
メロディーも曲のフォーマットも彼女たちの王道でスタンダードになり得る出来なのに、時代のせいか大きな支持を得ることはできませんでした。
個人的にはかなり好みのタイプの曲なので未だに聴いていますけども。


8. 青のじゅもん
(作詞:玉城千春、長浜幸路・作曲:玉城千春、金城綾乃・編曲:重実徹)
(C) 1999 Victor Music Arts, Inc.

1999年2月24日発売の4thシングル。最高22位、9.6万枚。インディーズ時代にシングルとして発売。
サビの部分を『未来予想図2』を当てはめても違和感はないだろう。


9. ひまわり
(作詞:作曲:玉城千春・編曲:重実徹)
(C) 2000 Victor Music Arts, Inc.

2000年3月23日発売の7thシングル、最高26位、3万枚。

10. 最後のKiss
(作詞:作曲:玉城千春・編曲:重実徹)
(C) 1999 Victor Music Arts, Inc.

1999年6月23日、最高12位、12.4万枚。本人出演 ツムラ クールバスクリンCMソング。
これ若干ファンクでドリカム風味だよね。


11. 3人の写真
(作詞:作曲:玉城千春・編曲:重実徹)
(C) 2009 Victor Music Arts, Inc.

アルバム『キロロの森』より。

12. 逢いたい
(作詞:作曲:玉城千春・編曲:Kiroro)
(C) 2000 Victor Music Arts, Inc.

2000年12月6日発売の12thシングル。最高30位、2.6万枚。

13. ひとつぶの涙
(作詞:作曲:玉城千春・編曲:Kiroro)
(C) 2002 Victor Music Arts, Inc.

2002年12月4日発売の12thシングル。最高85位、0.6万枚。

14. 愛さない
(作詞:作曲:金城綾乃・編曲:重実徹)
(C) 2002 Victor Music Arts, Inc.

2002年8月21日発売の11thシングル。最高40位、2.2万枚。
シングルの表題曲としては初めて金城綾乃さんが書いたものです。玉城さんのライティングとは違ってマイナーコードを使っててピアニストだなと感じる。
柴田淳っぽい。


15. 帰る場所
(作詞:作曲:金城綾乃・編曲:重実徹)
(C) 2005 Victor Music Arts, Inc.

ミニアルバム『帰る場所』より。
金城ちゃんも良い曲書けるよね。これはシングルに出来たと思うよ。


16. 僕らのメッセージ
(作詞:作曲:玉城千春・編曲:重実徹)
(C) 2003 NHK Publishing,Inc. & Victor Music Arts, Inc.

2003年11月21日発売の13thシングル。最高95位、0.4万枚。

17. Best Friend(UKULEMIX)
(作詞:作曲:玉城綾乃・編曲:重実徹)
(C) 2001 Victor Music Arts, Inc.

ウクレレ・ヴァージョン


RV




今回取り上げたのはKiroro(キロロ)のシングル曲を中心に構成されたベストアルバムです。
ご存知ない方も居られるかもかのでまず初めに簡単にKiroroについて書いていきます。
Kiroroは沖縄県出身の玉城千春さん、金城綾乃さんから成る2人組で、1995年に結成し1996年にインディーズで作品を発表したことがきっかけで、1998年にメジャーデビューしました。
主に作詞作曲しメインヴォーカルを取るのが玉城千春さん、一部作詞作曲しピアノを演奏するのが金城綾乃さんです。二人は友達という関係です。

彼女たちがメジャーデビュー曲『長い間』をリリースしたのは1998年のこと。このころ、音楽業界は沖縄系と呼ばれる人達が活躍していました。
その数年前から小室哲哉さんプロデュースとなり旋風を巻き起こしていた安室奈美恵さん、安室さんの当時の事務所の後輩SPEEDや知念里奈、D&D、DA PUMPそしてMAXなどですね。
いずれも沖縄の芸能学校沖縄アクターズスクール出身でアクターズと提携していたライジングプロダクションが次々と東京に連れてきてデビューさせていきました。
調べてみるとKiroroの玉城千春さんも沖縄アクターズに在籍していたことがあるそうで、なんと安室奈美恵さんともレッスンを共にしたこともあったといいます。
玉城さんは安室さんらのダンスのレッスンを目の当たりにして、自分には踊れないと辞めてしまったそうです。そして歌一本に絞ってやっていこうと思い定めたそうです。
人生の選択というのは面白いものですね。玉城千春さんがKiroroとしてメジャーデビューすると、たちまちミリオンセラーを引き寄せてしまうんですから。

さて、Kiroroの音楽はどういう位置にあるものなのでしょうか。
沖縄の色を強く打ち出すということはなく、ジャンルとしてはJ-Popになると思いますが、方向性としてはスタンダード、エヴァーグリーンな良質のポップスといったところでしょうか。
玉城さんがテレビ出演したときに、影響を受けてきたアーティストとしてドリカム吉田美和さんの名前を挙げ語っていたことがありました。
無意識に初期ドリカムのユーミン路線の継承をしていたのかもしれません。
メロディーの組み立てなんかでドリカムっぽい曲もちょこちょこあります。

デビュー曲、1stアルバム(114.7万枚)がそれぞれミリオンセラーとなっており、シングルでもアルバムでもミリオンを持っているアーティストなんですが、シングルもアルバムも始まりがミリオンというのは酷ですよね。
2ndシングルではその半分に、2ndアルバムではその半分以下(19.8万枚)となってしまい、人気を維持することは出来ませんでした。
継続して売れ続けるということがいかに大変なことなのかがよくわかりますよね。
主要な曲は押さえられているのでKiroroの世界を味わいたいという人にはお手軽な作品かなと思います。
正直僕はオリジナル・アルバムまで聴きたいとは思わなかったんですよ。

Kiroroの音楽って毒がほとんどないんですよね。
奇をてらうことがないんです。
突然ロックに走ったり、ダンスミュージックに挑戦したりなんてこともありません。
良い意味でですけどファミレスのような感じがします。ファミレスって程良い品質のものがいつでも安定的に提供されているじゃないですか。
そこに行けば裏切られることなく食事だったりカフェだったり利用できますもんね。

時々まったりしたい時にこのベストは聴くんです。特に歌詞を意識することもなく、ただなんとなく聴くんです。
チカラが入ってない感じが心地よいのだと思います。

あの時代、沖縄アクターズ勢とは大きく異なる彼女たちが受け入れられた…もしかすると反動の受け皿の役割を担っていたのかもしれません。
ただ、『好きな人』とか『もう少し』なんかはもっともっとヒットを狙える水準の曲なのに売れなかったということはレコード会社の売り方が間違っていたと言わざるを得ない。

個人的評価:★★★★★★★★★☆ 9