DREAMS COME TRUE 3rd Album
WONDER 3
EPIC/SONY RECORDS / CBS/SONY Group Inc.
1990年11月1日発売(CD: ESCB 1104)

w3

Produced by MIKE PELA
and DREAMS COME TRUE

最高1位・138.9万枚

TL

1. OPEN SESAME
(作曲:編曲:中村正人)
(C) 1990 EUROPA MUSIC PUBLISHERS INC.

オープニングナンバーはインスト。コンサートが始まる前のようなワクワク感を聴くものに与える。時間旅行なんでしょう。

2. 戦いの火蓋
(作詞:吉田美和・作曲:編曲:中村正人)
(C) 1990 EUROPA MUSIC PUBLISHERS INC.

ドリカム的EWF見たいな。同じ彼を好きになった女性を、同じ人を好きになるくらいだから友達になったら仲良くなれるかも知れないと複雑に思いつつも、恋の戦いの幕開けを歌う。『Ring! Ring! Ring!』のカップリング曲。

3. さよならを待ってる
(作詞:吉田美和・作曲:吉田美和・中村正人・編曲:中村正人)
(C) 1990 EUROPA MUSIC PUBLISHERS INC.

1990年9月21日発売の7thシングル。最高4位、14.1万枚。
90年代の空気を感じさせる派手なキーボードが印象的なマイナー調の楽曲。ビート感もある。
リマスター音源が『私だけのドリカム』に収録された。


4. KUWABARA KUWABARA
(作詞:作曲:吉田美和・編曲:中村正人)
(C) 1990 EUROPA MUSIC PUBLISHERS INC.

一人暮らしの(はずの)部屋に訪ねてくる両親を桑原、桑原と呪文を唱えながら待つ女の子の焦りをコミカルに歌っている。ユーミンチックやね。

5. Ring! Ring! Ring! (S.H.H VERSION)
(作詞:作曲:吉田美和・編曲:中村正人)
(C) 1990 EUROPA MUSIC PUBLISHERS INC.

最高7位、12.4万枚。まだ初々しい!こんなキャッチーなのもやってたんだよね。
シングル・バージョンのリマスター音源が『私のドリカム』に収録された。


6. 今度は虹を見に行こう
(作詞:作曲:吉田美和・編曲:中村正人)
(C) 1990 EUROPA MUSIC PUBLISHERS INC.

デビューアルバムに入っていた『悲しいKiss』のような洋楽ライクなナンバー。ドリカムの曲の中でもトップ10に入るくらい好きな曲。

7. ひさしぶりのI MISS YOU
(作詞:作曲:吉田美和・編曲:中村正人)
(C) 1990 EUROPA MUSIC PUBLISHERS INC.

ユーミンでいえば『守ってあげたい』のような超高濃度のポップスナンバー。ドリカム曲でところどころ登場するのがマサさんのコーラス。この曲でも良い味出してます。
もっともっと浸透していいはずの曲だよね。
個人的に特に好きなドリカム曲はこの曲と『今度は虹を見に行こう』『悲しいKiss』『FANTASIA #1』『あの夏の花火』『家へ帰ろ』『4月の雨』『SWEET×3』あたり。


8. 笑顔の行方 (ORIGINAL VERSION)
(作詞:吉田美和・作曲:編曲:中村正人)
(C) 1990 EUROPA MUSIC PUBLISHERS INC.

1990年2月10日発売の5thシングル。TBS系ドラマ『卒業』(中山美穂、織田裕二、仙道敦子)主題歌。最高2位、44.6万枚。
ドリカムの名を一気に世の中に拡散させた楽曲。
ZARDのボーカリスト坂井泉水がカラオケクイーン時代にカラオケで歌唱している。(YouTubeで確認できる)
リマスター音源が『私のドリカム』に収録された。


9. かくされた狂気
(作詞:吉田美和・作曲:編曲:中村正人)
(C) 1990 EUROPA MUSIC PUBLISHERS INC.

『さよならを待ってる』カップリング。中村正人ショーが顔を出してきました!

10. ESCAPE
(作詞:吉田美和・作曲:編曲:中村正人)
(C) 1990 EUROPA MUSIC PUBLISHERS INC.

ドリカム的EWFみたいな…再び。ダンサブルでシューティングゲームをしてるかのような躍動感のあるアレンジのせいか耳タコになる。
行ったことないけどライブに映えそうな曲ですね。
リマスター音源が『私だけのドリカム』に収録された。


11. 2人のDEFFERENCE
(作詞:吉田美和・作曲:吉田美和・中村正人・編曲:中村正人)
(C) 1990 EUROPA MUSIC PUBLISHERS INC.

これは結構な名曲ですよね。こういう気持ちになる人は少なくないと思います。
でもこの曲聴くとKDD思い出しちゃうのよ。分かる人は分かるよね。
リマスター音源が『私だけのドリカム』に収録された。


12. 時間旅行
(作詞:吉田美和・作曲:吉田美和・中村正人・編曲:中村正人)
(C) 1990 EUROPA MUSIC PUBLISHERS INC.

このアルバムが良いのはバラードで終わらないところですね。
バラードを締めにするのは感動を誘う効果があり、結構定番で、どのアーティストもやってはいるんだけども、ワクワクしたまま終わるのも悪くないよね。
さあ、ドリカムの旅はここからもっと楽しくなるよ!そんな気分を味わいたまえ。
ZARDの坂井さんはドリカムファンだったのかも。『笑顔の行方』の件もだけど、『来年の夏も』という曲で『時間旅行』、『Stray Love』という曲では『未来予想図』という歌詞が登場する。
リマスター音源が『私のドリカム』に収録された。


RV



大ブレイク前夜の超優等生アルバム

『絶対ユーミンを超えてやる』
ユーミンファンの女性で、そう思う人は決して多くないと思う。受け取る側によってはアンチにさえ聞こえかねない言葉だもの。
吉田美和が卒業文集に書いたと言われるその言葉は、決してアンチなどではなくて、大好きだったユーミンを目標にした自分の未来への願掛けだったのではないだろうか。
人は嫌いな人のようになりたいとか、まして超えたいだなんて思わないと思う。
ミュージックステーションのクリスマスソングランキングで『恋人がサンタクロース』が流れた時、笑顔でリップシンクする吉田美和の姿が在った。(ドリカムが売れたいいかげんあとですよ)
彼女にもアーティストとしてのプライドがあるし、いま現在も現役で走ってるわけだから、ユーミン好きの過去は明らかにしないかも知れない。
もちろん、中村正人と共にドリカムというオリジナルブランドを構築してきたという自負もあるでしょうし。

中学か高校の頃、歴史か現代社会かなんかの先生が吉田美和の同郷の同級生でほんのちょっとエピソードを誇らしげに話してくれたことがあります。
吉田さんはもともと非常に歌が上手で、かなり評判だったそうです。西川くんとは仲良しだったそう。
ドリカムが売れたあと、吉田さんの弟が仕事をしなくなってしまった(家が潤ったから)というような秘話も話してくれました。弟さんは現在ドリカム博物館?で働いています。

このアルバムはポップでダンサブルという初期ドリカムの王道中の王道であり、誰が聴いても聴きやすいサウンドに、恋愛を中心に据えた歌詞が特に女性から支持されました。
ビーイングのファウンダー長戸さんの言葉『ドリカムはユーミンの(歌詞の)ダンサブルなバージョンだと思いました』がしっくりきます。

吉田美和さんが持つ王道ポップスの要素と中村正人さんが持ってるディスコ、ダンス、ファンク、フリーソウル的な要素が絶妙に融合してドリカム サウンドは出来上がっていったのかなと。
今作に限っていえば、どちらかの趣味に偏りすぎてないところが好印象で、バランスが取れてる作品だなと感じた。

追記
ドリカムは、アルバムがカタログ化されていないので、過去の音源は音圧が極端に低く、非常に臨場感がないのです。
『私ベスト』ではっきりしてるのは、リマスターが非常に効果的な方々だということ。マサさんにはカタログ化を真剣に考えていただきたい。
『ESCAPE』とかは、もはや別の曲とさえ思える。

このあとドリカムの破竹の快進撃が始まります。
次作は『MILLION KISSES』で、B'zに続き初登場ミリオンを初登場85万枚を、叩き出します。
そしてこの快進撃がユーミンこと松任谷由実さんの売り上げを下げ始めていくことになります。
大江千里さんと槇原敬之さんほどではないにしても、驚くほど落ちていきます。

(参考資料)
temp

その間TKブームがあり、ドリカムはそこは乗り越えたのに海外進出に熱心になったがため、くじけてしまいます。余所見している間にMISIAや宇多田ヒカルといったR&B歌姫たちが台頭してくるのです。
そういえばMISIAは吉田美和に憧れたアーティストでしたっけ。
追いかけて追い越したら追われる立場になる。盛者必衰ですな。


個人的評価:★★★★★★★★★★ 10


今作から『ドリカム私ベスト』には6曲が収録された